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『高慢と偏見』(ジェイン=オースティン)

1813年出版の古典的な「恋愛小説」。
英国の上流階級における家柄や資産の格差が背景になっています。
読み始めてみると大変面白く、ほぼ一気に読んでしまいました。
原題は、『Pride and Prejudice』。

主人公エリザベスは、上流階級の中では“下”のベネット家の次女。
登場人物の中で最も聡明な人物として、自認かつ描写されています。
彼女(あるいは作者)の批判を一貫して免れているのは、姉(長女)ジェインと叔父夫妻(ガードナー家)のみ。
家柄や外見に惑わされることが少なく、善良さや誠実さと能力をもって、登場人物たちを批評します。
(現代にも通じる評価基準なので、約200年前の作品とは思えない程です。)
2組の恋愛の成り行きがメインプロットにはなっていますが、この人物批評こそがこの作品の根幹だ、とも言えそうです。

エリザベスによる評価が作品中で大きく変化した人物は2人。
「高慢」なフィッツウィリアム=ダーシーと“好青年”のジョージ=ウィカムです。
現実の行動からすれば、その第一印象は必ずしも誤解ではありません。
舞踏会に来ているのに元々の友人たちとしか話そうともしない人物と、あらゆる場面で社交的に振る舞う人物ですから。
特に、ダーシーについては、反目し合っていたウィカムによって誤った悪評を広められてしまうので、仕方ありません。
しかし、エリザベスだけは、様々な形でダーシーの正しい姿や内面を知る機会を得て、いち早くふたりに対する「偏見」を改めてゆくのです。

ところで、私はちょっと変わった読者だったのではないでしょうか。
ダーシーが登場した当初から、感情移入先がダーシーだったのです。
後々に評価が逆転することを予想していたわけではありません。
ただ、嫌われ者として描写されているダーシーの内面が分かるような気がしていたのです。
社交辞令が苦手で、自分の興味が向かない事には冷淡に振る舞ってしまうので、場合によっては「高慢」に見られてしまう・・・。
従って、ダーシーの評価が大逆転する展開を、本当に心楽しく読みました。


高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

  • 作者: ジェイン・オースティン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/02/04
  • メディア: 文庫



2011-08-25 23:56  nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0)  共通テーマ: [最近読んだ本]

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ike-pyon

私も今年、読みました。本当に楽しい小説ですね。
by ike-pyon (2011-09-03 03:10) 

plant

ike-pyonさん コメントとniceありがとうございました。
9月のCS放送では、ジェイン=オースティン特集をやっているようで、合計5時間ほどのドラマ版も放送されていますね。
by plant (2011-09-07 23:55) 

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