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『首をはねろ!』(カール=ハインツ・マレ)

主にグリム童話に含まれる暴力描写についての学術書。(発表:1985年)

メルヘンの中の暴力をいくつかに類型化して各々論じていますが、結論は共通しています。
メルヘンは元々大人のために大人が語った物語であり、暴力描写は現実の社会や心理を反映しているものだ、ということです。
独創的な分析も特には見当たらなかったので、面白かったのは次の一点のみでした。

つまり、メルヘンの中の暴力の結末は因果応報的だが、旧約聖書の「カインとアベル」で弟殺しを犯したカインは(一般に流布している思い込みとは逆に)それほど強く裁かれたようには見えない、という比較です。
旧約聖書神話の独自性として分析すれば面白かったろうに、と思いますが、本書では、「神の英知」はメルヘンが取り上げる「人間の要求」とは違う、とされるだけです。

日本の神話と民話の間に似たような関係が成り立つ例はあるのでしょうか。
『日本書紀』等が既に編纂性の高いものだからか、理不尽な神話に思い当たりませんし、逆に、日本全国から採話された民話の中には、明らかに不条理な結末を持ったバリエーションが含まれますので、単純な比較はできないようです。




首をはねろ!

首をはねろ!




2013-06-15 00:05  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0)  共通テーマ: [最近読んだ本]

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